「弾丸ツアー」が世間の耳目を浴びる嚆矢となったのは、チケット
問題に揺れた1998年サッカーワールドカップフランス大会の時
でしょう。記憶では成田発0泊3日でトゥールーズ会場への観戦
ツアーだったと思います。フランスまで行って現地泊なし、機内泊
のみという日程は充分にインパクトのあるものでした。

以来たいていは航空便によるアプローチがありながら、日帰りで
戻ってくるような旅行を弾丸ツアーと呼ぶようになったのです。
そしてピーチアビエーションが開業したとき、「弾丸沖縄」を提唱
したのでした。ふつうであれば高い航空運賃を負担してわざわざ沖縄
まで出かけるのですから、まあ最低2泊はしたいところですね。でも
もしセールなんかで航空運賃が大阪から関空までの電車賃とかわらない
格安運賃だったら。発想の原点はそこにあったものと思われます。
安けりゃ何回でも行ける。だったら日帰りの旅があってもいいじゃないか!
当時は沖縄から関空へ戻る最終便が現在より遅かった、そんな好条件
もありました。

というわけで極力安くをテーマに「弾丸沖縄」を試してみました。
これはあくまでも関空からの場合です。

自宅から南海電鉄のなんば駅まで、自転車です。途中コンビニで朝食を
調達しておきます。なんば午前5時15分発の空港急行始発に乗ると関空
に5時58分に着きます。ピーチの沖縄行始発便は7時発。30分前の
6時30分までに搭乗手続きを済ませなければなりません。ピーチの
ターミナルであるLCC専用第2ターミナルまで連絡バスで速やかに
移動します。
【LCC活用極意その1.時間に遅れないこと】
第2ターミナルは簡素で無駄な装飾はまったくありません。LCC専用です
から充分です。もっとも現在ここを利用しているのはピーチのみで、
同じLCCであってもジェットスターや春秋航空は第1ターミナルを
使っていますのでお間違いのないように!
【LCC活用極意その2.場所を間違えないこと】
「安く上げる」が至上命題ですので、座席指定や機内サービスを
はじめ余計な!?オプションは一切付けていません。もちろん日帰り
なので着替えなどの荷物もなく、持込手荷物は制限重量である10kg
には遠く及ばない小型ディバッグ1個のみ。計量も楽勝でパスです。
なお国内線では飲み物持ち込みはOKになっています。
第2ターミナルにはボーディングブリッジはありません。
飛行機の下まで歩いて行き、タラップを使って搭乗します。
ボーディングブリッジなどなかった時代から飛行機に
乗っているオジサン世代には懐かしいものです。あの
当時、有名人にならってタラップの最上部まで上がった
ら振り返って手を振らなければならない、と思いこんで
いた人がけっこう多かった。定刻7時にブロックアウト
したピーチのA320は沖縄へ向かって飛び立ちました。
ブロックアウトとは機体前輪に噛ましてあった輪留めを
外すことで、航空機の出発時間とはそれを行う時間を
指しています。那覇まで約2時間。何のサービスもない
シンプルな機中、コンビニのサンドイッチで朝食とします。
飲み物も有料ですからもちろんコンビニお茶が重宝します。
しかし何の不都合もありません。ピーチの運賃を別にして今日
ここまでかかったのは電車賃890円とコンビニ528円
の合計1,418円です。手製のオニギリを持参する、という
手もありますね。【つづく】