JR北海道は13日、来年3月26日に開業予定の北海道新幹線の運賃・料金を発表した。
それによると東京-新函館北斗間の普通車指定席の運賃料金合計は22,690円となる。これは空路羽田-函館間の最安航空普通運賃28,390円に比較するとかなり低めの運賃設定に見える。しかし早期購入割引系の運賃を利用すれば羽田函館は12,000円台から購入が可能なので、旅客獲得でしのぎを削る運賃競争の激化が予想される。これは利用者にとっては好ましいことなのだが。

新幹線と空路を所要時間で比較すると東京-函館間の所要時間は新幹線が4時間強。空路羽田函館間は1時間20分なので勝負は明らかである。しかもこうした比較の際いつも注目される空港へのアクセス時間の問題があるが、函館市中心部からの距離は函館空港が9kmしかないのに対し新函館北斗駅は函館駅から17.9kmもあり、通常の立地とは逆転している。俗に「4時間の壁」と言われる航空指向、つまり新幹線であっても乗車時間が4時間を超えると航空に客足が流れてしまうという現象を考え合わせれば航空の優位は明らかである。開業後しばらくの間はご祝儀相場のような現象が起きるだろうが、それはそう長くは続かないであろう。祭りの後、になった時JR北海道がいかなる手法で乗客を確保してゆくのか、その手腕が問われるようになるだろう。

尚新函館北斗-新青森間にはいわゆるトクトクきっぷが設定され、4,390円で乗車可能になるようだ。シルバー世代はこの区間を乗車して、遥かなる青函連絡船の時代を思い起こすのも一興ではないだろうか。

一方新幹線の運賃設定を既存4社(JR東・東海・西・九州)の新幹線と比較すると、北海道新幹線は各社新幹線の約1.6倍と高めに設定されている。JR北海道によればこれは青函トンネルの維持管理費が含まれているためとのことである。