石垣島にはLCCのピーチアビエーションが関空との間を毎日1往復
しています。ピーチお得意の弾丸日帰りは無理ですが、お安い運賃を
ゲットすればかなりリーズナブルに八重山の旅が実現しそうです。

石垣島は沖縄本島の南西約400キロの洋上にあり、この島が属する八重山諸島
の中心地として機能しています。人口は4万8千人ほどですが、石垣島から台湾
までの距離はわずか270キロしかなく、日本のどの地域とよりも台湾の方が近く、
話題の尖閣諸島までも130キロというかなり特殊な位置にあると言えます。しかし
そのような国境に近いという緊張感は通常ほとんどありません。むしろ訪れてゆったり
とした自然に囲まれてリラックスできる南国の島々です。経済的にも観光は大きな柱と
なっていますので観光の受け入れ体制も充分に整備されています。

八重山諸島では石垣島以外に竹富島、小浜島、西表島が観光の主な対象地となっていますが
国境の二つの島、つまり日本最南端の波照間島と最西端の与那国島を訪れる「端っこ
ファン」も多くいます。

石垣島には川平湾と白保海岸というほかでは絶対にお目にかかれない
自然のパラダイスがあります。川平湾は潮の干満や太陽光の加減で
そのブルーの海面が美しく変化する造礁サンゴの海。一方白保は海岸に
沿って長さ10km、幅1kmにわたってひろがるサンゴ礁で北半球最大
といわれるアオサンゴの大群落があります。

竹富島は石垣島の南西約6キロに浮かぶ隆起珊瑚礁でできた平坦な島です。高速船だと
わずか10分ほどで着いてしまうのですが、石垣島市街地の喧噪がウソのような静謐さに
包まれる美しい小島です。筆者の個人的な主観を申し上げるなら、八重山諸島中ここが
いちばん好きです。木造平屋で赤瓦の琉球住宅と塀、咲き誇るハイビスカス、そして白砂
が撒かれた小集落の家並みは竹富島独特の景観であり、訪れる人の心に強く残るものと言
えるでしょう。あまりにベタかも知れませんが島内をノンビリ移動する牛車に乗って沖縄
民謡安里屋ユンタを聞けば八重山旅情は最高潮に達するでしょう。

小浜島には本州資本のリゾートホテルが2軒あり石垣本島につぐリゾート地帯を形成して
います。いっぽう西表島は八重山諸島中最大の面積をほこる大きな島ですが、てつかずの
原生林、ジャングルがワイルドに広がる自然志向の島となります。

このようにひとつひとつの島に個性があり、旅行者の嗜好に合わせた旅や滞在が可能なのが
八重山諸島の魅力と言えるでしょう。